THE STEADFAST STAR

 東京の地面は硬い。
 夏に湧き立つことも、冬に凍えることもなく、ただジッと我慢している。
 この地平で一年ほど過ごしてきた。北向きに真っ直ぐ伸びる道を、今みたいに暗くなってから歩くことも珍しくない。靴音のリズムが陰鬱に響く。
 自分がここに来ることに反対した両親や担任の顔が浮かぶ。それに反抗した自分が浮かぶ。押し切られて受けた大学に落ち、希望していた大学に入学できてから季節が一巡した。こんなはずじゃなかった、なんて気持ちがまだ募り続けているとは、前の春には予想もしなかった。自分の希望はどこへ行ってしまったのか。
 吹き抜けた風で、足元のゴミが私を追い越していった。それを見送るように顔を上げて、私は久しぶりに空を見た。街の明かりに照らされた薄っぺらい黒が張り付けられて、そこは名前通りに空しい。しかし小さな光点を私はみつけた。
 何年経っても動かないまま、俯いて見失っても尚、そこに在り続けている私の希望を、歩く道の先にみつけた。ずっと、そこに居たのだ。
 あそこまで辿り着けるだろうか。いや、もう見えているのだから、あとは飛べばいいはずだ。
 見上げた空の、北極星へ。

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