『FALL』

著/水池 亘

 世界中の馬が一斉に痩せ始めた時、人々は恐れおののいた。この時期に馬が痩せるということは、すなわち天が落ちてくるということなのだ。逃げ場はない。人々は絶望しながら運命の時を待つしかなかった。
 そしてついに天は落ちた。ふにゅーんと落ちて、ぼみゃんと跳ねて、みちゃりと着地した。
 人々はそれを見て、なんだ、と思った。
 馬肉は硬くてとても食べられたものではなくなったが、天の肉のほうがおいしかったので、誰も残念に思わなかった。

『秋』210文字

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