◆ 回廊座談会 ◆

  【からさきうるは「表紙」】 

秋山真琴 それでは、まず、表紙から。今回はテーマが「未明」で、特集が「少女小説」なので、それらを意識して描いてくださいと依頼しました。
恵久地健一 なるほど。まったく自由に描いてもらったわけじゃないのね。
 えー。皆さん、いかがでしょう?
踝祐吾 一号の執筆者一覧みたいなのを除けば、表紙に文字が入る、というのは初めてなので画期的。
 言われてみれば、確かに。
雨街愁介 やわらかな感じが好印象。
痛田三 ですよねー。
六門イサイ 女の子の飛行ポーズがファンタジーで好きです。飛んでいるよね? 明らかに飛んでいるよね、あれ?
 そういえば『吾輩は猫である』の猫ってメスでしたっけ?
 オスだったんじゃないかな。
 『吾輩』って言ってますからねー。
 そ、そうですか(苦笑)
 ううん、Wiki見てみましたけれど、分かりませんね。
 ボク少女、俺女に続き、我輩少女。どう?
 でも、明治に吾輩少女はいなかったともいいきれませんし。
 吾輩っ娘ですか!? いいですね!
 いいよね、吾輩っ娘。女版ドクターウェスト(違う)
 最近の絵師さんは、みんな普通にパソコン上に絵が描けるもんですね。
 扉絵作ったはいいけれど、今回もやっぱりレイヤーが分かりませんでした(苦笑)茶菜々はレイヤーがないともう描けない、みたいな事を言っておりましたが。そういうもんなのね。
 そういうものです。

  【遥彼方「妄想癖」】 

 はい、中表紙です。遥さんの。中表紙はいつもちょっとした科白を書き込んでいます。
 すばらしい!!! 大絶賛。
 青い色調キレイ!
 これ、商業誌に載っていてもおかしくないレベルだと思います。特に木目が。
 おお。べた褒めですね(笑)
 そうそう。何か少年少女の頃って変な妄想走らせるよね。
 現役の妄想くんです(笑)
 奇想を絵にしてしまう能力を、遥さんは持ってますよね。

  【秋山真琴「断片化するカリグラフィ」】 

 はい。カリグラです、作・秋山です。巻頭はいただきました、イェイ!
 カリグラと聞くとデモベの筋肉ダルマ……もとい、ローマの皇帝しか連想できまっつぇん。
 結構超短編的テクニックが使われてますね。
 おろ、そうでしょうか?
 情報抑制の仕方とか、曖昧な浮遊感とか。
 秋山さんの趣味が出まくりですね、
 何か、久しぶりに編集長らしいワケワカメ世界が見れたなあ、という印象。
烏兎 いきなり逆風の太刀が……!
 分かるような分からんような、そもそも分からせる気もなさそうな、読者を翻弄してやるぜ的幻想世界。
 秋山ワールド全開って感じで。あと変な名前とか。
 名前、変かなあ……。
 てか百色眼鏡は何と読んだらいいのか。
 ひゃくしきめがね、だと思った。
 ももいろめがね、かも。
 ももんがさんとか鯨が花子とか結構好きですね、私は。
秋田紀亜 前半のバトルで敵を倒した時のアイデアが面白かったです。
 今気付いたんですが、「プリオシン海岸」って!
 目指したくなるじゃないですか、プリオシン海岸。
 ジョバンニとカンパネルラが猫で浮かんでくるのはどうしたものか(笑)

  【那須花花「少女と月光」】 

 秋山ワールドの後に続くは一服の清涼感!
 足首のリボンがすばらしい。
 脱がせたくなりますよね。
 それは様々な意味で危険かと。
 脱がせるんじゃなく着せる方でいきましょうよー。ファッションショーファッションショー。
 この方は台湾在住の同人作家さんで、先日のコミケのあと、東京でお会いした時に直接お願いしたのであります。
 ファウストに負けないぞ、と。
 国際的なイベントですね、コミケ。
 独逸にもアメリカにもあるくらいだもんな。
 だってコミケ後の飲み会で二十人中三人が台湾の方だったんですもの。
 一度は行きたいコミケット。
 実はもうお一方、日隠さんという那須さんのご友人の方がいらっしゃって、その方と三人でアレコレやりとりをしながら出来上がったのが、この一作であります。
 台湾に住んでいるだけで、元々は日本の方なんですか?
 いや、れっきとした台湾出身・台湾在住の方です。
 商業でもありそうな、安定感ある高画力ですね。
藤堂桜 表情と仕草が可愛いですよね。そして、あの色のバランスが可愛らしさを倍増です。
 今、卒業とか冬コミとかを控えている最中にお願いしてしまい申し訳なく。
 これだけ聞くと日本人かとおもってしまう(苦笑)
 確かに(笑)
 しかし、頼んでよかった……! と依頼者ながら思います。
 ねえ、本当に。良かった。素晴らしい。美しい。

  【恵久地健一「エンジェル・ノイズ」】 

 この小説は、今までの恵久地さん作品とはまた趣が変わってきましたね。
 違う立場の三者から語られる物語で、ヒロインが正義というわけではないのが面白いですね。
 エロス! テラエロス!
 処女膜再生に感動しました!
 ケモノはケモノでも別のケモノかと。
 母娘エロスに感動しました。
 エロく、せつない(糸井重里風)
 考えてみれば、今回はセックスを作中で扱っている作品が多いですね。
 エロスはそんなに書いたおぼえはない……と思う。
 冒頭から書いてるじゃないですか!!
 テーマが少女、ですからねえ。
 そもそも回廊エロス号になってしまったというか。
 そーなっちゃうでしょう。
 そうだ! 今回は回廊史上もっともエロスな回ではないか!
 直接的な性行為のシーンは、極力かかないようにしましたよ。
 藤堂さんの絵も素晴らしいですね。
 桜さんの扉絵も、フリルの下着とか、包帯とか、アルビノっぽさとか。十字架とか様々な小物で作品の雰囲気を伝えてくれていますね。ええなあ。
 ええ、桜さん扉絵ありがとうございました。
 桜さんの作品は今までで随一に思います。夏目さんのデザインも上手く決まっているでしょう。ノイズとか。
 初めて見た時に「この作品の絵が描きたい!!!」と思ったので、描かせていただけて嬉しくて嬉しくて。
 桜さんのその想いが絵に表れているように思います。
 同感です。
 素敵なバナーも作れましたし。
 パンツかよ!
 やっぱり少女というお題には、皆妄想を募らせてしまうのか。
 本当に本当に素敵エキスでまくりで下手したらみなさん引きます。
 ああ、そうそう。四二ページと四三ページ(PDF版)の別れっぷりは運命を感じますね。実に見事なタイミングで改ページが行われたと思います。
 たしかに、ラストの数行は絶妙の改ページですね。
 古井マジック炸裂ですね。
 PDF制作班の古井先生にも感謝。

  【雨街愁介「THE GREATFUL WINDY DAY」】 

 少女小説じゃない少女小説(苦笑)
 これは、いい話ですよね。落ち着きます。
 今回、作品数がダントツに多い雨街作品の、まず第一弾ですね。
 この後の雨日とのギャップが(笑)
 今回はエロス号であると同時に雨街号ですからね。
 雨街まつりですね!
 まあ、最初は少女が主人公で大地丙太郎オマージュみたいな雰囲気で行くか、と思っていたらこんな話になってました……まったく違います。
 『十兵衛ちゃん』とか『赤ずきんチャチャ』とか。

  【雨街愁介「雨日」】 

 ぎゅうぎゅうですよ!
 雨街エロス号の集大成ですね。
キセン 夏目さんもそうだけど、今の若い子は本読みとしてのレベルが高いよねえ。あんまり関係ないけど。
 わぁい、いっきに老けた気分。
 もうおじさんは付いてこれないよ。
 私小説パロディですね。だから最初のだらだら語りがある。
 萌え風幻想物語ですね。余韻が残ります。
 ブレンドコーヒー飲みたくなってきた……。
 このぎゅうぎゅうがもたらす衝撃は、ある意味、みつしりを超えますよ!
 ぎゅうぎゅうって、みっしりと違って詰まりながらも蠢いていそうですね。みっしりは指一本動かせない感じ。
 ああ、確かに。蠢いていそう。
時磴茶菜々 電車の寿司詰めはみっしりって感じかも。
 ノンノン。「みつしり(つが大文字)」。
 は、なるほど。「猫がみつしり詰まった箱」。
 そこで猫かよ!
 佐藤哲也の短編みたいな感じです。だから途中でバタ臭くなります(笑)ぎゅうぎゅうは……そんなにインパクトありましたっけ?
 第一担当編集者の夏目さんに、雨街さんが色々指摘されているのを、ああ大変だなあ、と横から見てました。
 いや、夏目さんには感謝していますよ。これは最初書きなぐりだったもので。修正したら二倍ほどの分量になっちゃいました。魍魎はあんまり意識していませんでしたが、今思うと……うーん。

  【星野慎吾「バイ・ユアガール」】 

 考えてみたら、星野さんはわりと『回廊』の中にあってミステリを担当している感じですね。今回は踝さんのコラムやキセンさんのコラムもありますし、ミステリにもスポットライトが当たっているような。
 もうね、星野さんの作品となると、身構えが必要になるとかならないとか。……と思ったら見事に騙されました。ちくしょー。
 どんでん返しが効いてますね。乙一っぽい。凄く面白かったです。
 踝さんもミステリ班じゃないですかね。
 回廊も結構ミステリ者というかミステリ畑の人は多いんじゃ?
 ミステリですか……本格からの遠心分離が自分の中で進んでいるのでねー。
 じゃあ、自分は遥さんといさやんと雨街さんを誘って奇想班を作ります!
 編集長~、班に入れない人たちはどうするんですか~。
 じゃあ、困った人たち班で。
 俺困った人かよ!

  【第一特集総括】 

 と!! 言うわけで、今回は「少女小説」で特集を組んだわけですが、いかがだったでしょうか?
 やはり少女は浪漫とエロスに満ちているのでありました。出来上がった作品のエロス度を見れば一目瞭然言い逃れできまいて!
 というか、全体的に少女ですね
 もはや〈少女〉ですらない雨街。
 当初はもっと少女少女した小説が集まるかと思いきや、ああ、やっぱりこいつらは回廊だったと顔を背けざるをえないような小説ばかり……私は嬉しい。
 まぁ、この面子に書かせたら当然の帰結というか何というか(違う)
 えーとそれは、少女が読むような少女小説とかを想定していたってことですか?
 つまり、あれですよ。ほら、自分、前号の座談会でも言ったじゃないですか。「あらゆる小説は少女小説である!!」(ずどーん)
 船戸与一センセでも?
 少女といえば、永遠の少女アリスが永遠の少年プエル・エテルエヌスより愛されているがごとく普遍のテーマ。
 まあ、それもありますね。
 題材として少女を取り入れたと同時に、女性が読む少女小説というのも意識しましたよ、いちおう。
 少女漫画なんか見るとエロスしまくりですよ。
 最近少女マンガ読まない……もうあたしは少女じゃないのか……っ!?
 少女漫画は一部の暴走のせいでレディコミなみに乱れた状態に……!(涙)
 新條まゆ先生は少女マンガ版動ポモですね。
 紀亜さんは以前、物語は少年漫画と少女漫画に分けられる、と言っておられて深く同意したのですが。
 あー、納得。
 当然の帰結でしたね。
 みんなで『エコール』でも観に行けばいいじゃない。

  【遠野浩十「ラーメンを食べにいこう!」】 

 ここからは、第二特集『桂たたらトリビュート』に入ります。そして、これはさらに第五号ぐらいから小説を載せよう載せようと頑張っている、よっちゃんの記念すべき第一作であります。
 拍手!!
 喝采!!!
 パチパチー。
 パチパチパチパチ。ひゅーひゅー。
 今回は更に空信号さんが新たなタッチでイラストを描いていただけました。
 あの扉絵は、キャラの活き活き感や、商店街の雰囲気がいいですね。ぱちぱちぱち。
 ラストの小鳥がぐっときましたね。
 ゴドーが来るまでならぬ、ラーメンを食べるまでの物語ですね。
 ラーメンを食べに行くだけで色々苦労する……何か粗筋自体は恋愛物の一種お約束ストーリー的な気がしますね。
 ラーメンが書かれないことによって、妙に象徴的意味があり気に見えます。このラーメンは何を指しているのだろうという。
 ところで、皆の衆、一一一ページ上段一番左の行を見てエロスを感じないかね?
 「なんだこのエロスはー」

  【桂たたら「小国テスタ」】 

 犬耳、いぬみみ!
 読んでいてライトに楽しめるファンタジーという感じで。ほのぼのと和みました。ライトノベルとして考えると、まだオリジナリティは薄いかなとか老婆心が頭をもたげまするが、キャラの動き回りなどが楽しく。実に長く書いていただきたい作品だと思い、桂さんにもプッシュ。……「続き書いて!」って言ってるみたい。
 確かに、これは楽しい。
 「ドジメイド」や「被ってる」などのメタっぽいジョークが面白かったです。イラストもかわいいですし。
 あれ。回廊編集部でぷに萌えの人って誰でしたっけ?……あ、水池くんだったかな。
 眼鏡論を書いたつもりがぷにロリ論になってたコラムがあった記憶が。
 あったあった。
 萌えはいつの間にか日本の文化ですからね。ぷにはその尖端か。
 すごい現実だ……(苦笑)
雪鰻 萌えの単語が一般化しすぎて、意味が変わってきてる気がする今日この頃。
 萌えはほら、ドイツ人とか西洋人にも浸透してきていますよ。日本人に分かるものは独逸人にだって分かりますよ。萌えは未来世界の共通言語です。
 回廊も萌えを追及したらワールドワイドに(違います)
 桂さんトリビュートときて、この調子でエグチトリビュートとか、あと何かやっていきたいですね。

  【第二特集総括】 

 と言うわけで、第九号では「桂たたらトリビュート」という回廊メンバをトリビュートするという企画を組みました。今までもザボントリビュートやキセントリビュートといった特集は考えられていたのですが、
 実行はされなかったですよね。
 実現には及ばず、颯爽とやってきた桂さんが回廊で初のトリビュート特集と相成りました。中々、面白い仕上がりになったのではと思います。
 スピリットをリスペクトしてトリビュート。
 初の参加者持込型の企画ということで、良かったんじゃないですかね。
 と言うわけで、桂トリビュートは非常に有意義だったと思います。
 JDC(トリビュート)をやれと舞城も言っておりましたし。
 今、ふっと思いつきましたが、桜さんがイラスト先に描いて、それにマッチするような小説を書いて。しかるのちに、桜さんがその作品の挿絵を描く、なんて面白そうですね。
 スクエニ小説大賞みたいですね。
 昔『500文字の心臓』であったね。
 じ、自分の絵が先で……それにお話が……あわわわ(想像して興奮)
 『回廊』では随時、メンバからの持ち込み特集を募集しています。社内公募のように。やってみたい特集がある人は、がんがんどうぞ。
 今後も参加者から意見があれば、積極的に拾い上げていければ良いですね。
 トリビュートに限らず、ですね。

  【芹沢藤尾「陽炎の夏」】 

 扉絵に苦労した思い出でいっぱい(笑)
 隣でpixiaの使い方をレクチャーした思い出でいっぱい(苦笑)
 思えば陽炎は、野球と青春小説のわりに、野球のシーン自体は少ないですね。
 ついちょっと前に第一号を読んだわけですが、号を出すごとに上手くなっていきますね。今回も前回より上手くなっている。
 まあ、連載第五回なので、読めていない方も多いと思いますが。
 その節はありがとう盟友。初めて試合した回は、確か連載半年ぐらいで。まあ、野球に関する話題自体は毎回出ているので、野球小説のジャンルでOKなのですが。
 芹沢さんは、会話文のテンポが上手いんですよ。
 ええ、今回の陽炎は、今までで一番会話も面白いと思います。色んなところで噴出しちゃう。
 そうですね。第一号辺りではもたつくところもあったのですが、って、人のことを言えない……(苦笑)

  【姫椿姫子「BOW IS LOVE」】 

 これ、上手いと思う。失礼な言い方だけれど、姫子の作品だからと油断していたら、最後の数行でもののみごとに騙された。
 この超短編は上手いですね。
 実は○○○○班。
 あ、そうだ。この作品も○○○○じゃん。うーん、今回は○○○○多いなー。
 ……流れから行くと、あんまり伏せてないのでは?(苦笑)
 確かに(笑)
 今回の姫子さんの作品は力作揃い。恐るべし。
 掴みも抜群でしょう。
伊達山城守智之助 上手かったと思います。って言うか、最後までずっと、そう言うオチだとは思いませんでした(笑)
 HTML版ではこの作品が超短編の中で最初に来るわけですが、問題ないと思います。
 実は回廊の中で一、二を争う才能を持っているんじゃないかと思っています。
 ですねー。
 「陽炎」に出てきた「ボウズ」から、このタイトルへの繋がりもいいですよね。
 もうね、英語題が秀逸。森博嗣っぽい。

  【姫椿姫子「アレルヤ」】 

 舞城チルドレン(言いたいだけ)
 いきなり本筋から離れたところで始まる辺り舞城性を感じる。
 このエロスめ! だなあ。
 さぁ皆さんご一緒に。「このエロスめ!」
一同 このエロスめ!
 最初口にした時、ここまで浸透しようとは思わなかった。恵久地さんのおかげだあね。
 あの選択は、エグチさんのセンスが光ってますよね。……しかし、改めて見たけど、長いなあ。
 長いけど、文章のリズムが良いと思います。

  【踝祐吾「積読にいたる病」】 

 はい、傑作。
 だるだる感が心地好い感じの引越し×積読エッセイとひぐらし。
 終了。次。次。

  【雨街愁介「DIAMOND LUSH」】 

 また来た……。
 はい、じゃあ、雨街さんの出番。三回目。
 ええと、まず、ボルヘスの深化を超短編でやってみましょー、というやつ。
 ホルヘ・ルイス・ボルヘス?
 バベルの図書館の?
 の、有名な短編。日本語題参照。引っ張りすぎなのは……力量の問題かと。
 臨場感があるなぁ、と思った反面、ちょっと引っ張りすぎかな?と言う気もしましたです。
 十五でボルヘスって……。
 キセンくん、羨望しすぎですよ。落ち着いてっ。
 文学部二年ですがボルヘスもカフカもガルシア=マルケスも読んでいませんが何か……!
 『死とコンパス』ですね、というかそれしかまだ読んでないので……。
 若いって羨ましいなぁ……。
 ともすけくんも充分に若いから。
 何だよみんな十五でボルヘスとか十七で稲垣足穂とか……。
 稲垣はこの前買ってきてまだ読んでない。
 今の回廊は平均年齢二十位かしら。
 ショック。
 じゃあ、もうあたしは十分歳……(悩)
 平均か、おれ。
 ……とうとう犯罪を犯したら実名報道される自分を若いと思いたくない。
 やっぱり、平均二十四ぐらいかも。

  【キセン「『あのころ』から遠く離れて」】 

 どうも回廊の老害です。
 コーヒー吹いた。
 カクテルパートナー吹いた。
 じゃあ、一発ギャグが決まったところで、次に行くかね。
 ギャグ扱いか。否定してください。
 え、どうする? なにか喋る?
 まあボルヘスも足穂も読まず、ユヤタンや舞城にうつつを抜かした男の愚痴ですよ。みなさんが何か云うことがあるなら……とりあえず、おれの青春はどこへ行った、というコラムです。
 僕だって、広く浅くなので誇れたもんじゃ到底ないです。
 コラムはたしかに達観の領域ですね
 あの時代(ってほどでもないけど)にあの作品群に出会った人間、でないひとにあのコラムがどう読まれるのか、ってすごく興味があるんですよねー。
 要するに、ミステリの『文学化』というのは必然ではなかったのか、と。シュミュラークルでの評価軸は本来以上で、これにより正規の流れに戻ったのではないかと、そういうことです。
 やっぱりサシで喋りたいなあ。このあいだの文学漫談で聞いた話もあわせて。

  【痛田三「THE ART OF REASON」】 

 これは津原泰水『綺譚集』の「天使解体」を読んでたら、いつのまにか出来てました。
 イサイ殿の精神描写してるのかな、と一瞬思ったのはナイショです。
 ぶ(笑)
 モツかよ!
 おいおい。
 「天使解体」って『綺譚集』に入ってたんだ。
 いっちゃん最初ですね。それだけ読んで……お腹いっぱいになっちゃった。全然ひねる気なしです(苦笑)

  【白縫いさや「海底歩行」】 

 いさやんは、『500文字の心臓』で超短編を書かれている方で、今回は水池さんが原稿を取ってきてくれました。才能のある方なので、彼の作品を『回廊』に載せることが出来てたいへん嬉しく思います。
言村律広 この扉絵好きだなあ。
 いいですねー。
 エグチさんには、この作品を的確に表現した扉絵をデザインしていただきたいへん嬉しく思います。
 こういう幻想小説を書ける才能は貴重だなあと思いながら、扉を作成しました。

  【姫椿姫子「MIDDLE OF NOWHERE」】 

古井 Yahoo!沖縄。
 ……あたしもそう思いました。
 沖縄みみがー……。
 だってさー、この超短編を的確に表現するとしたらやっぱり『Yahoo!沖縄』なわけですよ。
 いや、でもすごくよく伝わって来ますよ。
 神。もう素晴らしい。
 第九号では見開き扱いの超短編が二作あって、片方は特集参加作品で雨街さんの作なんですが、もう片方がこちらです。
 まだ沖縄に着いてないから、雲を抜けて~というイメージで。
 「この作品は是非、見開きでインパクトを強くさせたい」という編集班の総意でこういう扱いになりました。
 ニライカナイ、って、彼方、っていう意味を持っていましたよね。
 沖縄方言だったはず。
 ELLEGARDENにそんな曲なかったけか。
 え、あったっけ?
 「DON'T TRUST ANYONE BUT US」かな。
 あ、ほんとだ、あるね。この曲かー。
 もう、疾走感みたいなものは、姫椿作品に共通してますね。

  【夏目陽「失われた楽園を求めて」】 

 もう今回のコラムはキセンさんのといい、夏目さんのといい、論文っぽいのが多くて編集する方が疲れました(苦笑)。ですが、それだけ骨太な文章になったんじゃないかなー、と思います。
 論文、確かに。思いっきり楽園について考察してますよね。
 キセンさんは嫉妬すればいいと想います。好きなだけ。
 ムキャー。
 『一九八四年』を手がかりにするか。なるほど。
 言われてみれば確かに。ちょっと硬すぎるかなって感じもしますね。
 夏目さんも、近代文学大好きっ子ですからね。
 近代と言うか、現代ですね。
 ああ、現代文学ですね。
 このコラムは夏目さんが好きなのであろう作品からの引用が多いように思います(笑)
 あとは、西洋圏の思想に若干偏ってる感じですね。ウィトゲンシュタインとか。
 もうね、あの管理社会とか何とか言われた年以降に生まれた人がこの中では多数なわけですよ。ムキャー。
 ビッグ・ブラザーはどこにいるんでしょうかね、うぎゃあああ。
 ビッグ・ブラザーはいるよ。ここに、いるよ。
 もう平成生まれが来年には職場にやってくるんだぜー。
 来年からうちの大学にも平成生まれが来るのか……。
 中卒の子はもう働いてますよ。
 実は未だに平成に入ってからもうすぐ十九年目だってのが信じられない。
 もうすぐ昭和で括られるわけだ。
 ケータイのメールだけでビッグ・ブラザーと繋がる。これがセカイ系。
 で、そんな近現代文学を解体再構築してみた、読みごたえのある作品として、ご紹介したいと想います。

  【雨街愁介「WAR AND HER LAW」】 

 題字が黒こげ死体に見えてドキドキ。
 まるまる話が送ったときと変わっています。実はこれも○○○○班だったりしたりしなかったり。
 これは、確かに○○○○風ではあるけれど、そこまで○○○○してないと思いますよ(もはや伏字の意味なし)
 同感。
 まあ、意識してませんでしたし。
 何か八号の秋山さんの超短編に繋がるものを感じる。
 秋山真琴風……と、もういいません、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。
 ああ、なるほど(笑)
 よくよく想像してみると結構残酷な話。
 残酷ですね。終末観の中にある狂気、というような感じがします。
 前バージョンではそれを直裁的に書いてしまったおかげで超短編じゃなくなってしまったので…
 ○○○が生きているか死んでいるか、で二重に読めるところが不思議。
 そこは、一応計算しました。

  【痛田三「グラン・グラン・ギニョール」】 

 これはタイトルを読んだ瞬間にアリプロを想像しましたね(笑)
 とにかくタイトルに悩みましたね。
 悩まれてましたね、タイトル。
 漠然と「グラン・ギニョール」じゃないなぁと思っていたので、その節ではエグチさんにご迷惑をおかけしました。
 「グラン・ギニョール」は、本屋にあったね。
 「グラン・ギニョール城」をタイトルだけで思いだしたひとは僕だけではないはずだ。
 ああ、芦辺拓かと思っていたら、むしろカーか……。
 僕もそう思った。
 グラングランの名付け親は秋山さんです。ありがとうございました。
 いえいえ、どういたしまして。
 ギニョールってどこの言葉なのだろう。Guigolて不思議なスペル。
 ぐりとぐらんー。
 ラテンじゃないのかなぁ?
 フランス語でしょう。
 フランス語ですね。
 確か劇場の名前でしたよね、パリかどっかの。
 「観客のうち何人が失神したか」も劇の成功・不成功を測る尺度だった……なんつーアレだ。
 これもまたあちこちエロスですよね。ドリアン(笑)
 文章がテンポ良くていいですね。
 ルビ面倒だったけど、提出が早かったからやりやすかったね。
 『回廊』第九号では(超短編は除いて)この作品が巻末を飾る作品となります。『回廊』における巻末とは、『ジャンプ』における「ジャガーさん」のようなもので。
 お約束かつ生き抜き?(苦笑)
 一部の限られた、ごく少ない、しかし確実に存在する、ある一定の読者を強烈に惹きつける作品を巻末に置いています。『500文字』で言うところの逆選王みたいなものでしょうか? と言うわけで、第九号の巻末の名誉は痛田さんに贈られました。おめでとうございます!
 ぱちぱちぱち。
 ぱちぱちぱち、どんどん、ぱふぱふー
 巻末おめでとうございます!
 あ、ありがとうございます。

  【雨街愁介「PLEASE REMEMBER, MARRY-GO-ROUND」】 

 「グラングラン」が巻末だったはずが、そのさらに後にまだ作品があるとは何事か! ということで、この超短編は言わば裏の巻末作品ということにでもしましょうか?
 雨街さんはどんだけ頑張るんだ。
水池亘 これはラストに最適でしたね。この超短編があることで回廊全体がぐっとひき締まった印象を受けました。
 雨街祭りのトリを飾るにふさわしい静かな作品ですね。
 もはや老害の居場所はない。
 ろうがいじゃないよ。
 老兵は死なず、ただ消え去るのみ。
 ろうへいじゃないよ。
 頑張りすぎました。しんどいです。
 と言うわけで、雨街さんは是非、次号の巻末を目指してください(笑)
 変なハードボイルドみたいな感じですが。……頑張ります。
 雨街さんも貴重な青春を回廊方面で消費してください(ひでえ)
 ひでえ(笑)
 最低だ!
 青春かー。まだ来てないな。
 青春ておいしい?
 キセンさんがどんどん嫉妬キャラになっていく。

  【第九号総括】 

 未明の第九号ということで、ついに一桁台の『回廊』もこれで最後となってしまいました。
 雨街エロスと姫椿エロス満載のエロス回廊号でしたね(なんだそれ)
 前者はフェチっぽいのばかりですが。
 一周年をやったのがついこのあいだのようだ。
 どんどん規模がでかくなっていきます。
 作品数が増えたし、諸作業人員も増えたのに、PDFとHTMLは増えない。これ辛い。
 HTML版は手伝えても、PDF版は中々、手伝うのが難しいですね。
 だからInDesignを教えてください。
 InDesignを正しいスペルで記述した君には、「童貞よ、本屋に行け」という格言を残してやる。
 『回廊に毛が生えた』みたいな感じで。
 毛!?
 電波○年かよ!
 電○少年です。ロゴに毛を生やしたりとかして。
 三本ぐらい生えてるんですね
 ただ、毛が生えてしまうと打ち切り一直線なので気をつけた方が良いですよー。
 回毛廊。
 鳩山○紀夫に突撃しなきゃ、大丈夫でしょう(笑)
 未明のまま夜明けが来なくてもいいくらいのボリュームですね、第九号。第九?
 暁回廊。
 編集後記にも書きましたが、雲上回廊、そして『回廊』編集部という集団にもう少し指向性を与えたいと思います。と言うわけで「感動を!」ということです。参加してくれた作者に感動を。編集者に感動を、与えるような雑誌にしたいですね。じゃあ、まあ、そんな感じで座談会・完。皆さん、お疲れ様でした!
一同 お疲れ様でした!

                         (2006.12.02 回廊チャットにて)

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