『MIDDLE OF NOWHERE』

著/姫椿姫子

 北は北海道から南は鹿児島まで南下しながら人をぶっ殺していくという馬鹿げた仕事を取ってきたのは親友のマコトだったが、順調に殺しまくって一都一道一府二十六県までせめて大阪府都島区京橋に来たとき、俺は最悪の偶然を嫌悪した。マコトはこのことを知らなかった。
 マコトはバスルームに押し入って、俺はベッドに横たわる愛人に銃口を突きつけて、たまらずに少しだけ声を張り上げて、言った。
「なあ、変わろうか?」
 マコトの返事はない。
「なあ――」
 言いかけたとき消音器付きの銃声がして、俺は銃をしまって部屋を出た。
 
 JR鹿児島駅のトイレで雇い主の男と仕事の精算をした。最後に、口の端をつり上げて、「しかしまぁ――」男は言う。「親の子殺しってのはどこに行ってもあるモンだが、子の親殺しってのは、全く理解できねえな」
 俺は男に銃を向け、引き金を引く。

「人をぶっ殺してから住む場所は、あったかくてうまいものがある場所って決まってんだ」
 マコトが言った。
「――沖縄いきますかぁ!」
「イエア! オ・キ・ナ・ワ! ヤフー!」
 俺たちは大騒ぎしながら、沖縄行きのフェリーに乗り込んだ。


『ニライカナイ』497文字

| コメント (0) | トラックバック (0)

この作品をはてなブックマークに追加はてなブックマークで感想を書く