十号記念祭座談会(2)

超短編部門 上位入賞者座談会 ◆ キセン 水池亘 姫椿姫子 痛田三 秋山真琴


── どうも、皆さん今晩は。『回廊』第十号記念ランキングということで、本日は超短編部門で上位入賞された方々にお越しいただきました。

一同 今晩は、よろしくお願いします。

── まず簡単に紹介させていただきますが、みごと一位、三位に入賞したキセンさん、水池さん。そして、新鋭ながら奮闘した姫椿さん、痛田さん。そして、僅差のすえに五位をキープした秋山さんです。皆さん、おめでとうございます。

一同 ありがとうございます。

── それでは恐縮ですが、先に名前を挙げた順に皆さんから自己紹介をしていただきたいのですが、キセンさん、最初にお願いしてもよろしいでしょうか。

キセン インテリ馬鹿一代というフレーズが気に入りました。キセンです。インタビューは一度やったので今日は茶々入れ係です。

── ありがとうございます。茶々入れ係でよろしくお願いします。では、続いて水池さん、お願いできますか。

水池 最近ニコニコ動画にはまりました。「助けてもらおう陰陽師 レツゴー!」超短編部門長、水池です。よろしくお願いいたします。レツゴー!

秋山 つくねちゃん、だったかな。が、面白かったです。

水池 知らない方は「レッツゴー! 陰陽師」でぐぐってみてください。

キセン 時代はrimoだぜ! たぶん。

── えーでは皆さんが「レッツゴー! 陰陽師」を検索している隙に、四位入賞の姫椿さん、自己紹介をお願いします。

姫椿 ええと、講談社ノベルスの「クラムボン殺し」、めちゃくちゃ強そうだなと思いました、姫椿ひめ子です。「このエロスめ!」です、よろしくお願いします。

── ありがとうございます。では続いて、作品別部門「AN EAR」で入賞され、第十号からは超短編部門員にも参加されている痛田さん、お願いします。

痛田 はい。「とかちつくちて」をもう何十回も繰り返し観続けた痛田三です。今回は超短編の編集見習いとしての参加です。

── ありがとうございます。では最後に、五位入賞の秋山さん、自己紹介をお願いします。

秋山 編集長の秋山真琴です。『回廊』では超短編作家として参加している節が強いです。

── ありがとうございます。今回は以上、五名の方々で進めさせていただきます。作家別部門で一位と二位の方はインタビューが収録済みですので、まずは三位入賞の水池さんにお話をうかがわせていただきます。水池さんは、作家別部門に合わせて、作品別部門でも上位に入賞されていますが、いかがでしょうか。

水池 ありがたいことです。

── 作品別部門では「FATES」 と「FALL」 の二作が入賞していますが、確か「FATES」は水池さんが『回廊』で初めて書いた超短編ですよね?

水池 そうです。『回廊』参加希望のメールと共に初稿を送りました。

── まだ当時は、秋山さんが超短編の編集をしていて、色々と水池さんに修正の指示を出されていたようですね。

水池 何回も突き返されました(笑)

秋山 まるで自分がひどいひとみたいな言い種ですね。

水池 いやー、その結果とてもよい超短編になったので感謝しています。あの編集作業はその後の僕の編集に生かされております。

秋山 嬉しいことを言ってくれますね。このう。

水池 あそこで何度も突き返されたからこそ、僕も何度も突き返すのです(笑)

── 水池さんの緻密な編集は、秋山さんとのやり取りがあったからなんですね。

水池 そうですそうです。

秋山 まるで自分がひどいひとみたいな言い種ですね。

水池 褒めてますよー。これでも。すみません。

キセン 水池さんは突き返しますよねえ。これで編集がもっと早……(略)

水池 何というか、重箱の隅を突かずにはいられなくなるんですよね。全体的な長さとか、文章のリズムとか、超短編なので特に。編集が遅いのは……本当に、言葉もないです。申し訳ない……。

秋山 水池くんはレスポンスの悪さを改善するのが先決。水池くん叩きになってきた……!

痛田 怪しい雲行きに……。

── えー、そうした鉄壁の編集をくぐり抜けて、作家別部門の四位と、作品別部門の「BOW IS LOVE」で入賞したのが、姫椿さんですね。

秋山 (うまい!)

── 姫椿さんの「BOW IS LOVE」は内外でも非常に好評で、編集の水池さんからも、ほとんど修正の指示が無かったそうですが、どうですか姫椿さん?

姫椿 まったく無かったですね。「やられたー!」って言われて、そのままOKをいただきました。八号の時が嘘のようです(笑)

水池 あれはもう、認めざるを得なかった(笑)文章もきちんとしていて、リズムも良かったですし、これはこのままいこうと考えました。

秋山 あの作品は一般性が高いですよね。

姫椿 ありがとうございます、とてもうれしいです!

── 期待の新鋭ですね、姫椿さん。

姫椿 期待に添えられるよう、精進します(汗)

水池 期待しております。

── おなじく新鋭としては、なみいる強豪をおさえ、作品別部門「AN EAR」で入賞した痛田さんですね。

痛田 はい。

── 姫椿さんとはまた違った作風で、「AN EAR」も非常に評価の高い作品でしたが、こちらは何か修正の指示はあったんでしょうか、痛田さん。

痛田 編集員になれたのも、耳のおかげじゃないかと思うくらい好評価をいただきました。

水池 初めて痛田さんの超短編を読んだときは驚嘆しましたね。あの重厚になりがちな内容をサラリと書いてしまえるところに並々ならぬ才能を感じました。

痛田 耳は初めて『回廊』に参加する作品だったので「いきなりこんなの出して怒られるんじゃないかな?」とヒヤヒヤものでした。指示については、特に何ももらってないです。

キセン 超短編を書いたのは、『回廊』が初めてではないのですか?

痛田 500文字の超短編というのは『回廊』が初めてですね。

キセン すると、「てのひら怪談」は『回廊』の前から?

痛田 某所で……ていうか、「てのひら怪談」の元となった「bk1怪談大賞(800文字)」は第三回から応募してました。つまり一昨年から参加してますね。

水池 なるほど。納得です。

キセン 「てのひら怪談」読ませていただきました。痛田さんの作では「田んぼ」が好きですね。

痛田 言村さんも「田んぼ」がいいと仰ってました。

── そちらの大賞を読めば、痛田さんの過去作品が読めるというわけですね。入手先について、痛田さんの方から教えていただけますか?

痛田 ぶっちゃけ、WEBでただで読めます(笑)

秋山 どこにあるんですか?

痛田 ビーケーワン怪談大賞ブログ。

キセン 現在刊行されている「てのひら怪談」も非常にセンスのいい造本ですけどね。

痛田 私は第三・四回と「じが」という筆名で応募しております。てのひらは全収録作品に東さんの校正が入っているので、読み比べてみるのもいいかもしれませんね。

秋山 「田んぼ」面白い。

水池 「田んぼ」いいですね。

痛田 あざーっす(笑)

── では最後に、編集長の秋山さんからお話をうかがいたいと思います。

秋山 どんとこい超常現象!

── まず五位入賞というポジションは、秋山さん自身どう思われましたか?

秋山 秋山の存在を投票者が忘れていなかったことに驚きました。『回廊』において自分は空気のような存在なので。

── 入賞したことが意外でしたか。

秋山 意外でしたね。ちなみに今日は「いつになく謙虚な秋山真琴プレイ」をしています。

── 作品別部門で入賞した「SHAPES OF ROCK」についてはどうですか?

秋山 この作品について少しお話しますと、嶽本野ばらの「世界の終わりという名の雑貨店」という短編に影響を受けて書きました。非常に素敵な作品です。

── 秋山さんは『回廊』の超短編では多作ですし、「メタ探偵」などの超短編で確立されたジャンルもあるので、さらに上位入賞の可能性もあったのではないかと思いますが、その辺りの悔しさみたいなものはありませんか?

秋山 悔しさはあまりないですね。編集長としての意見が混じってしまいますが、やはり参加者の方が上位を占めていただけると嬉しいです。したがって、自分が入賞したために痛田さんが漏れてしまったのを、残念に思うほどです。

痛田 私が超短編の投票を放棄していなければ、やはり秋山さんに票を入れていたかと。

── 今の発言も、いつになく謙虚な秋山真琴プレイということではないでしょうか。

秋山 いつになく謙虚な秋山真琴でございます。

痛田 まだ続いてたのか……(笑)

秋山 果つることなく永遠に。

── 秋山さんは編集長として、今後『回廊』の超短編をどのように展開していこうとお考えですか?

秋山 そうですね、超短編に関しては非常に展望のある創作領域だと考えています。端的に言って、小説の形態を取っていながら、小説の範疇に収まる必要のない自由性が魅力ですね。したがって、今後の『回廊』では、例えば一枚のイラストをテーマに、複数の超短編作家に超短編を書いてもらうなど、他方面的に超短編に向き合っていきたいと考えています。

── 過去号でも「つながる超短編」として、超短編をテーマにした特集が組まれましたが、今後もなんらかの展開が期待できるということですね。

秋山 ええ、第十号から新たに痛田さんを超短編部門員として迎え入れたので。超短編に対してよりちからを入れることができると思います。

痛田 ばんがります!

水池 そうですね。痛田さんのちからで『回廊』超短編がさらに進化すること間違いなし!

姫椿 間違いなしですよ!

痛田 ばんがりまくります!

── では、本日はこの辺りでインタビューを終了させていただきたいと思います。皆さん、どうもおつかれ様でした。

一同 おつかれ様でした。

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