久住四季特集 - 『久住四季インタビュー』

Interview for QUZUMI Shiki

日は電撃文庫でご活躍中の久住四季先生にお越しいただきました。まずはトリックスターズ〈○○○○編〉の完結、おめでとうございます(ネタバレ防止のため、伏字にさせていただきました)。
りがとうございます。このような場を設けていただき光栄です。
ビューにいたるまでの経緯や作品に関して、そして久住先生ご自身に関してをお伺いしたく思います。よろしくお願いします。
ちらこそよろしくお願いします。


れでは早速。どのような経緯で電撃文庫から『トリックスターズ』の刊行が決まったのでしょうか?
十一回電撃小説大賞に『トリックスターズ』を投稿して、受賞は逃したんですけど、編集部様に「出してみないか」とお誘いをいただきました。
品の応募先として電撃小説大賞をお選びになったのは、どうしてでしょうか?
遠野浩平先生の『ブギーポップは笑わない』を読んで小説家になりたいと思ったので、同じレーベルでデビューしたいという気持ちが強かったからです。
行された作品が書店に並んでいるのを、見たときに思われたことがあれば教えてください。
凄く嬉しかったんですけど、なかなか「これを自分が書いたのだ」という実感がわかなかったことをよく憶えてます。
た甘塩コメコさんのイラストはいかがでしたでしょうか?
ごく綺麗でいいなと思いました。作品に深みを与えてくれるなあ、と。それにイラスト化するとバレるネタもあったので、そんなやりにくい状況をクリアしながらよくぞここまでという気持ちも大きかったですね。続刊でもその気持ちは同じです。むしろ強くなってます(笑)。
に主人公の天乃原周はイメージ通りだったでしょうか?
はもっと醒めた感じの、ふてぶてしそうな顔してると思ってました(笑)。でも今のが好きです。
〈○・○○○○編〉について構想を少しで構いませんので教えてください。
語の構造はこれまでと変わらないと思いますが、個人的にはそろそろ殺しがあってもいいんじゃないかとは思っています。


れでは次に久住先生のミステリ観を伺いたく思います。まず、ミステリ作品においてもっとも重要なものはなんでしょうか?
間が経てば考えは変わっていくと思いますが、今は、謎を解いて終わりじゃなく、謎を解いたあとに何かが残るような作品を書いてみたいと思ってます。新作の『ミステリクロノ』はそんなつもりで書きました。
の要素を備えている作品のなかで、特に面白い作品があれば教えてください。
ほどあって迷いますが、ここは宮部みゆき先生の『蒲生邸事件』を挙げさせていただきます。『蒲生邸』は本格じゃないだろ、という声が聞こえてきそうですが、久住四季もそう思います(笑)。ただ「館の一室で死体」「消えた凶器」という謎が解かれ、その結果、読者に確実に何かを残す作品だと思います。こんな作品が書きたいという理想の一つです。
れでは、作品を書くうえで参考にしている、もしくは勉強になった作品があれば教えてください。
れまた山ほどありますが、やはり『ブギーポップ』でしょうか。特別な思い入れがありますし。『トリスタC』の前後巻が『PART1・2』なのは『VSイマジネーターPart1・2』の真似です(笑)。構造が群像劇なところも意識してます。あと宮部みゆき先生の平易でいて表現豊かな文章、森博嗣先生のスタイリッシュな文章には影響を受けていると思います。
に、期せず影響を受けてしまった作品はありますでしょうか?
りそうですけど、期してないから自分ではわからないです(笑)。
『トリックスターズD』と『トリックスターズM』には、ミステリとして斬新な要素がありますが、今後、試してみたいトリックなどはありますでしょうか?
ります。『M』で使った仕掛けも、いつかは仕掛けそのものを主眼に置いてまたやってみたいです。
『トリックスターズ』で初めてミステリに触れた読者も多いと思うのですが、そんな読者へオススメの一作をお願いします。
説では西澤保彦先生の〈神麻嗣子〉シリーズ
漫画では加藤元浩先生の『Q.E.D.』
映画ではクリストファー・ノーラン監督の『メメント』
各媒体一つずつ選んでみました。


住先生ご自身に関してもお伺いしたく思います。もしよろしければ、どのような人生を歩まれてきたのか教えてください。
生(笑)。そうですね、本は子供の頃から好きでいろいろ読んでましたけど、初めて小説を書きあげたのは大学生の頃です。四百字詰めで百五十枚ぐらいの短編でした。それまでは書いても全然完成させることができませんでした。
説家になりたいと思ったきっかけなどは、ありますでしょうか?
ばり十五の夜に読んだ『ブギーポップ』です。そのときまで小説は「書きたいもの」ではなく「読みたいもの」でした。
学体系や歴史背景などを提示することによって、世界観に厚みが生まれていると思うのですが、西洋史はお好きなのでしょうか?
別くわしいわけではないですけど、好きです。
た、この世界観を作りあげるうえで参考にした先行作品や資料があれば教えてください。
にはありません。作中に流用した史実も調べればすぐわかる程度のことですし。「一度魔学は滅んだけれども復興されつつある現代」という設定は、「既存のミステリ」と「魔学の存在」を同居させるために、ある意味必然的に作ったものなんです。というのも、もし魔学が滅ばずそのまま発展していたら、世の中の文明や文化が全然違ったものになっていて、既存のミステリも書かれなかったはずですよね。だから「魔学は昔はあったんだけど一度滅んじゃって~」という歴史を作ってしまったわけです。
最初はもっと遠慮なく史実をからませてたんですが、クロウリーに関して「かなり遠慮ないこと書いてるよね」と編集さんに指摘されて、だからフィクション度を上げなくちゃと思って、切ってしまいました。
ビューから二年間で六冊も上梓されていますが、執筆にあたって注意している点はありますでしょうか?
作一作手加減なし、ということでしょうか。毎作自分を切り刻むつもりで書いてます。あと立ち読みしてぱらっとめくったとき、そのままレジに持っていってもらえるよう出だしには気をつける。ページ数もできる限り抑える。そしてやはり締切を守る(笑)。これからも、これまでぐらいの刊行ペースは維持していきたいです。
た展開や登場人物を考案する秘訣があれば教えてください。
ろいろやってみて、自分がおもしろいと思えることを増やして、その中で気になったこと、これはいいと思ったことは忘れないようにメモしておくことでしょうか。
中で好きな登場人物はいますでしょうか?
好きですけど、そうですね、手鞠坂と猫のアマネでしょうか(笑)。
ステリマニアで魔学にも造詣が深い、扇谷いみなと小比類まきは、主役として申し分のない要素を備えているように思われますが、短編で探偵役を務める予定などはございませんでしょうか?
定は今のところありませんが「こういう話ができるな」という構想はあります。読んでみたいという方はぜひトリスタを未読の友人に勧めるか、編集部にお便りください。何かが起こるかもしれません(笑)。
ろしければ八月に上梓されました『ミステリクロノ』について教えてください。
わゆる時間モノです。人間がミステリで時間がクロノ、というつもりでこのタイトルをつけました。このテーマだとやはり北村薫先生の〈時と人〉三部作が個人的なバイブルで、自分でもずっと書いてみたいと思っていたんですけど、今回はそのテーマを、ミステリ寄りの仕掛けを使って浮き彫りにできないかなと思ってチャレンジしてみました。我ながら無謀なことをやろうとしてます(笑)。
あととにかくトリスタとは違うものにしたかったので、文体なんかを意識的に変えてみました。
後に『回廊』の読者にメッセージをお願いします。
後までお付き合いくださってありがとうございました。
これまで拙作を読んでくださっているという方には、本当に心からのお礼を申し上げます。
まだ読んだことないという方も、ぜひこの機会に手に取ってみてください。
日はありがとうございました。
ちらこそありがとうございました。

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