『荒野の幽霊とドロップヘッド』(3)
二機目のノルグは、ファンルを分離させる前に、真上《トップビュー》から格納ベイを撃った。機体の後方で連続した爆発が起き、四脚がたたらを踏む。それでも、自分を撃った相手を破壊しようと、右腕からミサイルを発射した。映像捕捉による自動追尾《テレビホーミング》。
しかしルーハは動じない。螺旋を描いて飛翔するミサイルに正対すると、チェーンガンをトリガーした。ほぼばらまき。だがそれで十分。近接信管が作動し、ミサイルは次々に誘爆する。
そのまま降下。ノルグの上面にある機銃が火を噴くが、無茶苦茶なジグザグ機動で、すべてを避ける。相手との距離が詰まる。
ルーハは、左腕のジェネレーターに火を入れた。左腕ユニットが起動、刀が収まった部分が起きあがり一八〇度の位置に展開する。刃は外側に、ルーハはユニットから突き出たグリップをつかむ。さらに相手との距離が詰まる。もう目の前。
Com-Info:
スタンバイ
---電磁細波刀《でんじさいはとう》・セット---
レディ───────マーク
ジェネレーターが咆哮し、刀身に高電圧をチャージ。さらにそのエネルギーを逃がさないために、マイクロ波でフィールドを形成し刀身を包みこむ。
ルーハは刀を自分の方へ引き寄せると、ほぼゼロ距離で一閃した。
ノルグのほぼ真ん中に、甲羅を割ったような亀裂が生まれ、亀裂から流れ込んだ高電圧が内部に浸透し、発狂した回路が全体で爆発した。ルーハすかさず反転し、ふたたび空へ舞った。がくんとノルグが傾く。そこにアサトの狙撃が次々に飛来し、火花を上げるノルグを直撃した。
爆散。
十分以上の攻撃を叩き込まれたオーガットが、閃光とともに消滅した。
『ルーハ、左!』
いつの間にか前進してきていたエイルドレッドが、ガドリングガンでルーハを狙っていた。
カニのような胴体。右側に板状の砲身を持つ砲塔。左側には巨大な三本爪のアーム。六本脚の悪魔。照準用レーザーにポイントされたのを感じ、ルーハはそれが自動攻撃と悟る。本命は、
「アサト、伏せろ!」
エイルドレッドの「眼」は、アサトを見ていた。戦闘で舞い上がった黄砂を焼き払いながら、三本の光がアサトめがけて飛んだ。すんでのところで伏せたアサトの上を光が貫通し、その後ろにあったトラックの残骸を直撃、金属が一瞬で昇華して爆発する。
「くうっ!」
アサトは、ルーハが回避してくれることを祈りつつ照準。撃破より火力を削ぐことを選び、自分を狙った「眼」をにらんだ。空のバッテリーを捨て新しい物を装着。ふたたび大電力が供給される。マガジンを抜き、コッキングして排夾、手動で新しい弾を込める。立ちあがり、荒神を腰だめに構える。急激な運動で頭がくらくらするのを振りはらって、目標に集中する。
ロックオン。
引き金を引く。相も変わらずすさまじいマズルフラッシュとバックブラスト。発射されたのは、敵が避けても追尾する必中のAPFSDS弾。アサトの奥の手の一つ。銃口を飛びだした弾丸は、すかさず後尾の羽を開き、弾道を修正しながら飛翔。磁石に吸い寄せられる釘のように、エイルドレッドの板状の砲身の中の三眼を直撃した。
小さな爆発が起こり、続いて大爆発が砲身を砲塔ごと吹き飛ばした。
エイルドレッドは、ノルグ二機が瞬く間に撃破されたことで、人間で言うところの混乱状態にあった。さらに、自動防御のバルカンは回避され、混乱していたとはいえ強指向性レーザーは回避されたばかりか、反撃を受けて砲塔は破壊された。しかも敵はたった二人。片方は戦闘用エイドだが、もう片方は人間だ。こんな事は想定にない。敵の思考は一時的に止まった。
アサトとルーハは、その隙を見逃さなかった。
大型のオーガットは、指揮機体として中型機や小型機をつれて分隊を組んでいることが多い。今回も二機のノルグ以外に、スキッドと呼ばれる小型機を六機連れてきていた。
スキッド各機は、エイルドレッドからの指揮が途絶えた瞬間、自律行動に切り替わったが、搭載されたマシンガンが火線を開く前に、次々に沈黙させられていった。エイルドレッドの対空射撃を切り抜けたルーハが、超低空から目標を求めて右往左往するスキッドを翻弄し、チェーンガンと電磁細波刀を駆使して、掃討していたからだ。それを追おうとする機体をアサトが正確に狙撃する。荒野のあちこちで閃光がひらめき、爆炎が上がった。
エイルドレッドが混乱状態から回復したときには、スキッドはすべて撃破されていた。だがオーガットは、そんなことでは引かない。
六脚のうち小さな二つがたたまれ、大きな四脚がバランスを修正した。その先端は、椅子などについているキャスターに似た構造になっている。しかしその車輪は、それ自体が回転するモーターでもある。エイルドレッドの足下から、巻き上がるように黄砂が舞う。高速移動モード。これこそエイルドレッドが人々から恐れられる理由の一つ。火力と装甲、そして高い機動力を持つ大型オーガット。こんなのと戦おうとする奴の気が知れない。それでも、立ち向かう者達がいる。
アサトは体力の限界を感じながら、ルーハに向かって猛進するエイルドレッドを追尾した。ぎりぎりのところで、機体上部にロック。荒神をトリガーした。角度が悪く、何発かは弾かれたが、一発が装甲に傷痕を作りながらガドリングガンを吹き飛ばした。
もう自分にできることはない。アサトはマルチゴーグルを上げた。
ルーハはスキッドの掃射を終え、向かってくるエイルドレッドに正対したところだった。左腕のジェネレーターに新しいバッテリーが再装填される。
翼の角度を調整し、ルーハは直線的に突撃した。あまりにも不用意な行動。相手が残った火器で撃ってくる射線だけ避け、真っ直ぐ突き進む。
接敵《ヘッドオン》。
その瞬間、ルーハは急上昇をかけた。それこそ相手の望むところ、待っていましたとばかりに三本指爪がルーハをつかむ。ぎりぎりと締め上げる音が聞こえそうな光景。伸ばされていたアームが折り曲げられ、エイルドレッドの目の前にルーハは引き寄せられる。左手は封じれている。必殺の一刀は振れない。
ルーハは、どうにか拘束をまぬがれた脚部のスラスターを全力で噴射した。その力で体の向きが変わる。ドーム状の頭は目の前。ルーハは、そのままチェーンガンをトリガーした。
後先考えない全力射撃。キューンという甲高い音とともに、嵐のような弾丸がオーガットの頭部に叩きつけられ、すさまじい火花を散らした。
吹っ飛ぶように無くなっていく残弾。豪雨のような弾幕に、敵の装甲がゆがみ、ひしゃげる。
やがて音と光が止んだ頃、空になったマガジンが落ちた。
同時に力を失ったエイルドレッドの脚が折れ、その身が地に沈んだ。
◇ ◆ ◇
オーガットをすべて倒し、戻ってきたアサトとルーハは、男達の畏怖の視線に出迎えられた。ボスと呼ばれていた男がつぶやくように言った。
「パニッシャー……」
アサトとルーハは軽く目を合わせたが、黙ったままロイズの方へ歩いていこうとした。
「あ、あんたら、パニッシャーだろ。旅をしながらオーガットを狩って人間を守るっていう」
アサトは、つばを飛ばしながらまくし立てるボスを見て、言った。
「違うよ。ぼくらはただの旅人だ。そんなんじゃない」
パニッシャー。オーガットに対するこの世界に生きる者たちの抵抗力。いつの頃からか、都市伝説のように世界に浸透していた。詳しいことは何もわからない。
「だがよ。やってることは同じだろ。いや、俺ももうろくしたもんだ。あ、あんたらに喧嘩売るなんてよ」
「だからなに?」
アサトが聞いて、ボスが答えた。
「お、俺達のことも守ってくれたわけだろ。その礼をしなきゃならねえ」
「別に、そんなつもりはなかった。それにぼくはロバーズが大嫌いだ」
「ま、まあそういうなよ。俺達もこのざまじゃあ、もう稼業を続けることはできねえしよ。あんなの見せつけられて、すっかりびびっちまった。世界にあんたらみたいのがいるならと思うとよ。それにあんたらも俺達を見逃してくれねえだろ? な、どうだ? 俺達は稼業から足を洗う。それからトラックにある金の半分をあんたらにやる。なあ、べっぴんさんもよ?」
ボスは愛想笑いを浮かべながら言った。アサトはルーハにトラックの中を確認するように頼み、その言葉を聞いたボスがすかさず手下達に手伝うように命令した。すでに応急処置を済ませていたらしい男達がすかさずルーハの後を追ってトラックへ向かう。
「……あっちのトレーラーはひどかったよ。みんな焼け死んでいた。あんたらの商品がね」
アサトは淡々と言った。ボスは野営しようとしていた瞬間を狙われたのだと説明した。自分達が逃げるので精一杯だったと。
だから? アサトは目で語った。ボスは何も言えなくなった。
『アサト、こっちには生体反応はない。全部物だけだ』
「了解。──わかったよ。おっさん、さっきの話は信じるよ」
「そ、そうか! 交渉成立だな!」
ボスは顔をほころばせながら、右手を出した。しかしアサトはそれを無視して踵《きびす》を返すと、荒神を左手に持ちかえ肩に担いだ。
トラックの方では、ルーハに続いて男達が荷台に入っていった。例の金品を運び出そうというのだろう。アサトがゆっくりとロイズに向かった。
その瞬間、ボスの口元に笑みが広がった。腰の拳銃を抜き、無防備なアサトに飛びかかり、
脇腹に何か硬い物を打ちつけられた。
声も上げられず、体をくの字に追ってたたらを踏む。アサトが振り向きざまに、荒神の銃身で一撃したのだ。そのまま拳銃を抜き、荒神と十字架のように交差させて、ボスに向けた。
「ま、待っ──」
銃声が荒野に響いた。同時に金属音がして、トラックの荷台が内部から切り開かれ、中があらわになった。ルーハがぶんと左腕を振ると、握っていた刀から血しぶきが散った。まわりには寸断された男達の死体が転がっていた。
「アサト、無事?」
「どうにかね。あ、」
「どうした?」
「朝ご飯、食べ損ねたよ」
アサトの声は、どこか悲しそうに響いた。ルーハは心底あきれた顔をした。こんな時になにを言っているんだか。
その時だった。二人の会話にロイズの声が割り込んだ。
「アサト、ルーハ! ニキさんが!」
二人が駆けつけたとき、ニキは鞘と服を投げ出していやいやをするように頭を押さえていた。ときどき苦しそうな声が断片的にもれる。
「ニキ!」
アサトはニキを抱き起こすと声を掛けた。ニキの顔は涙に濡れていて、目元は真っ赤になっていた。何度もしゃくり上げ、アサトの胸にしがみついて言った。
「違う! 違うの。私、ニキじゃない。ニキは、ニキは、違うの!」
それから彼女は話しはじめた。自分が思い出したことを。
「ニキは、あの人達に捕まった女の子の一人だった。私より先にいて、でも他の子達とは違ってた。みんなは無気力になって諦めていたけど、ニキは絶対諦めなかった。みんなを励まして、恐がっていた私を抱きしめてくれた」
彼女が両方の三つ編みを解いた。ぼさぼさの髪が広がる。それを素早く一つにまとめた。
「ほら、こうすると箒に似てるでしょ。だから私は『ほうき』って呼ばれてた。でもニキはちゃんと名前で呼んでくれた。自分が自分でいることを忘れちゃダメって言ってくれた」
「強い子だったんだな」
装備を外したルーハが、今は黒い指で彼女の手を撫でた。そうすると落ち着くと知っていた。
「うん、とても強い子。私よりずっと可愛くて、ずっと強かった。──あの時もそうだった」 彼女がぶるぶるぶるっと身震いをして、アサトから離れた。
「その夜、ニキがあの人達のテントに連れて行かれた。それからニキの悲鳴が聞こえるようになったの。トレーラーの中からでもニキの声が聞こえて、私は耳を塞いで震えてた。それでも、それでもニキは、負けなかった。私達の所に帰ってきたニキは、ふらふらで脚の内側から血を流していて、でも私を見ると笑って『大丈夫だから、こんなのに負けないから』って。それから『今日も手を繋いで寝よ』って言ったの」
はらはらと彼女の目から涙がこぼれ、握りしめた彼女の手をぬらした。
「でも私達は、一つだけ似ていたの。それがこの髪。ニキも硬くてすぐぼさぼさになっちゃう髪だった。それをお下げにしてた。さっきまで私がそうしていたみたいに。そしてあの日──」
彼女がロイズの外に出て、トレーラーの残骸を見つめて言った。
「三日前の夜だった。コンテナの扉が開いて男の人が『今夜はここで野営するからな、逃げようなんて思うなよ』って言ったすぐ後だった。前の方ですごい光が爆発して、炎が襲いかかってきたの。まるで大きな手のひらみたいだった。みんなが外に逃げ出そうとする中で、私は動けなかった。でもその時、ニキが私の手を引っ張って外へ突き飛ばしたの」
風が吹いて、彼女の髪がさわさわとゆれた。アサトはその後ろに立って話を聞いていた。
「突き飛ばされて、思いっきり地面に叩きつけられて、何回か転がったのを覚えてる。でもそれが良かったんだと思う。顔を上げたとき、トレーラーは真っ赤に燃えていて、人の形をした炎があっちこっちでもがいてた。私はニキを探して声を上げて、そしたら炎の一つが答えてくれた。良くわからなかったけど、いつもみたいに笑って『大丈夫?』って……影でニキだってわかった。そしてニキは、私の目の前で倒れてそのまま……う、う、それから目が覚めたら、なんだか良くわからなくなって、自分は死んだんだって思った。死んだのに生きてるなんてオカシイから、きっと幽霊になっちゃったんだって思って頭がぼんやりして……でも、」
彼女の肩がなにかをこらえるように震えていた。その肩にアサトが手を置いた、
「もういい。もういいよ」
「う、ううう、本当はきっとニキが生き残れるはずだったんだよ。それなのに──」
「そんなことない! そんなこと決まってないし、決めつけてもいけない」
アサトが強く否定しだ。ルーハはすこし驚いて、二人の様子を見ていた。アサトがこんな風に強く言うことはほとんどない。それからニキと名乗っていた少女に語りかけた。
「泣きたいときは、泣いた方が良い」
「ルーハ、さん。う、うううう、うわああああああああああああーーーーーーーー!」
慟哭が荒野の空を貫いた。崩れ落ちる体をルーハがすくい上げ、抱きしめた。
「そう。泣くといい。思う存分」
「うわぅ、うああああーーーーーー! ニキが、ニキが死んじゃったよおうーー!」
涙がルーハの胸をぬらしていく。無機質な機械のような肌。けれどそこには、ぬくもりがあった。アサトはルーハの手を取ると、そっと少女の頭を撫でた。ルーハが「こう?」とでも聞くように、アサトがそうしたようにした。アサトがうなずいて、空を見上げた。
今日も太陽が高く昇っていた。
荒野の幽霊は、もういない。
◇ ◆ ◇
太陽がほぼ中天にさしかかった頃、一台のトラックが「柱」の近くに停まった。荷台に幌をかけた年季の入ったトラックだった。運転席から年配の男性が顔を出した。
「おーい、そこの人。あんトラックはあんたらのき?」
男性が言ったのは、「柱」の反対側で横転しているトラックのことだった。残しておくと色々面倒なので、男達の死体ごと道の外に捨てたのだ。
「いや、違います。ええと、まあ……粗大ゴミです」
アサトが道の方に歩きながら答えた。
「ゴミ? こんなまだ使えそうなもんが。かあ、もってえねえことする奴もいるもんきに」
「ところで、おじさんはどこへ行くんですか?」
「ああ、この先の街に牛乳を納めにいくんよ」
それを聞いて、アサトはロイズの所にいたルーハ達と顔を見合わせた。
「そのついでに、この子を街まで乗せてってくれませんか? じつはちょっと───」
「ああん、お安い御用き。嬢《じょ》ちゃん、さあ乗った乗った」
「……あー……、ありがとうございます」
理由も聞かずさらっと承諾されてしまったので、アサトは面食らってしまった。
結局、少女が思い出せたのは「ニキ」と出会ってからの時間だけだった。それ以上前のことは、自分の名前すらも思い出せなかった。しかし記憶の事はあまり気にしていないようだった。
「名前、どうしよう?」
そっちの方が重大事であるように、彼女はうつむいた。アサトは彼女の髪をとかしながら、同じように考える目をした。その間にも絡まった髪もやさしく、丁寧にとかしていく。
「ニキ、でいいと思う」
ふいにルーハが口を開いた。
「え、でも───」
「ここでわたし達と同じ時間を過ごしたのはニキという少女だ」
「もらっちゃって良いんじゃないの。たぶん、ニキも喜ぶと思うよ、ニキ」
アサトが彼女の髪を丁寧に編んでいく。最初は左、次は右。そしてできたのは───
「はい、おしまい」
「え、これって……」
逆Vの字のお下げ髪。髪質はどうにもできずこうなったが、最初よりはずっと綺麗だった。
「似合ってるよ」/「似合ってる」/「良く似合っています」
アサトとルーハ、そしてロイズも続いた。
「うん。──アサトさん、ルーハさん、ロイズさん……」
そうしてニキは、あふれ出る涙をぬぐった。
「ありがとう。──そう。私は、ニキ!」
◇ ◆ ◇
ニキを乗せたオンボロトラックが道の彼方に見えなくなった頃、アサトがロイズのエンジンを掛けた。ぐおんと腹の下に、エンジン音が轟く。
「行きますか?」
「うん。それよりルーハ、本当にあれで大丈夫なわけ?」
アサトが助手席のルーハに聞いた。彼女はなにやら袖を上げて見ていたのを止めて答えた。
「大丈夫だろう。今のあの子なら」
「いやそういうことじゃなくて、手紙一通であのお直し屋さんに下駄をあずちゃった事だよ」
「平気だ。人手を欲しがっていたから。それに持参金も十分。ちゃんと手紙にも書いた」
「なんて?」
ちなみに持参金とは、ロバーズ達が残した金品の半分だ。当然の権利と言える。
「『服は大変気に入っています。新たなお直しを頼みたいので、よろしくお願いします』と」
「お、お直しね。まあ、たしかにそうか。あのおばさん、ニキのなりを見たら……」
アサトは失笑して、ギアを繋ぐとアクセルを踏み込んだ。ロイズがバギージープとしてのパワーを遺憾なく発揮して土手を登坂、土煙を上げながら道に乗り上げる。
「もうすこし丁重に願います」
ロイズが抗議した。
「たまには、これくらいのパワーを出してみるのもいいのさ」
「単にアクセルが滑っただけのように見えたけど」
「気のせい気のせい!」
アサトは一筋の汗をたらしつつ、アクセルを踏んだ。荒野の道にタイヤ跡が伸びていく。
その先には、新たな世界が広がっていた。
了
読み終えましたら、web拍手をお願いします。壁紙をプレゼントさせていただいております。

