『THE STARTING POINT』

著/クサカベアヤ

 遠くで銃声が一発鳴り響いた。/ やがて訪れる静寂。/ その間ずっと、私は仰向けのまま空を見ていた。/ 感覚を失うほどの真っ白い空。/ 戦の間見ていた灰色の雲はどこかへ行ってしまったようだ。// 国の情勢の流れに押されるように戦に私は兵士として赴いた。/ 敵味方関係なく、少しずつ減っていく兵士の数。/ 私はかろうじて敵から、死から逃れていた。/ あの時も、息を殺してじっと小さな洞穴の中に隠れていた。/ 極度の恐怖に目を閉じた、次の瞬間だった。/ 近くの木に止まっていた小鳥が一啼きした後、羽ばたいていった。/ おそらく銃を放った兵士も、極限状態で全ての物音に敏感であったのだろう。/ 必要以上に銃弾を私に目がけて撃ってきた。/ 私は体中に銃弾を受けた。/ 吹き出た血で目の前が真っ赤に染まり、仰向けに倒れこんだ。// 徐々に瞼が重くなってくるのが分かる。/ 真っ白い空から雪が降ってきた。/ 戦が始まったのは夏の盛りだったような気がする。/ 気がつけばそれほどの時間が経っていたのだ。/ もうすぐ、戦も終わるのだろうか。// 閉じた瞼の上に雪が、//『旅路』452文字


(※フルパッケージ版にTEXT版が入っています)

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